AI STUDY / COLUMN / 314329宅建業法
読むほど
おもしろい!

宅建業法の免許制度をわかりやすく解説!大臣免許と知事免許の違い・有効期間・練習問題

前回の記事では、宅地建物取引業法における「宅地建物取引業の定義」について解説しました。宅地や建物の売買・交換、売買などの代理・媒介を業として行う場合には、宅地建物取引業に該当するかどうかを判断することが重要でしたね。 ま […]

2026.10.22 / 約11分で読めますSCROLL TO READ ↓
01
READ!

前回の記事では、宅地建物取引業法における「宅地建物取引業の定義」について解説しました。宅地や建物の売買・交換、売買などの代理・媒介を業として行う場合には、宅地建物取引業に該当するかどうかを判断することが重要でしたね。 ま […]

前回の記事では、宅地建物取引業法における「宅地建物取引業の定義」について解説しました。宅地や建物の売買・交換、売買などの代理・媒介を業として行う場合には、宅地建物取引業に該当するかどうかを判断することが重要でしたね。

まだ定義について確認していない方は、先に宅建業法「宅地建物取引業の定義」の解説記事を読んでおくと、今回の免許制度も理解しやすくなります。

では、宅地建物取引業を営むためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。

そこで今回は、宅建業法の「免許制度」を取り上げます。国土交通大臣免許と都道府県知事免許の違い、免許の有効期間、更新、免許換えなど、宅建試験で押さえておきたいポイントを整理していきましょう。

1. 宅地建物取引業を営むには免許が必要

宅地建物取引業法第3条では、宅地建物取引業を営もうとする者は、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければならないと定められています。

前回学んだ「宅地建物取引業の定義」に当てはまる事業であっても、免許を受けずに宅地建物取引業を営むことはできません。

免許が必要になる事業者

免許制度の対象となるのは、宅地建物取引業を営もうとする個人や法人です。個人で不動産業を営む場合も、会社として不動産業を営む場合も、原則として免許が必要になります。

ここで注意したいのは、宅地建物取引士の資格と宅地建物取引業の免許は別のものだという点です。

  • 宅地建物取引業の免許:宅地建物取引業を営むために必要
  • 宅地建物取引士の資格・登録など:宅地建物取引士として業務を行うために関係するもの

宅地建物取引士の資格を持っているだけで、不動産業を自由に営業できるわけではありません。事業者として宅地建物取引業を営むには、別途、業法上の免許が必要です。

2. 国土交通大臣免許と都道府県知事免許の違い

免許制度で特に重要なのが、国土交通大臣免許と都道府県知事免許の区別です。試験では、事務所をどこに設置しているかを読み取って、免許権者を判断する問題がよく出題されます。

免許区分は事務所の所在地で決まる

免許区分は、宅地建物取引業を営むために設置する事務所が、どの都道府県にあるかによって決まります。

事務所の設置状況 必要な免許
1つの都道府県内だけに事務所を設置する 都道府県知事免許
2つ以上の都道府県に事務所を設置する 国土交通大臣免許

例えば、大阪府内だけに事務所を設置して営業する場合は、大阪府知事免許が必要です。一方、大阪府と兵庫県の両方に事務所を設置して営業する場合は、国土交通大臣免許が必要になります。

営業する地域の広さだけでは決まらない

ここは試験で間違えやすいポイントです。免許区分は、物件を紹介・販売する地域の広さではなく、事務所の設置状況によって判断します。

例えば、大阪府内にしか事務所がなくても、全国の物件を取り扱うこと自体を理由に、直ちに国土交通大臣免許になるわけではありません。

反対に、事務所を大阪府と京都府に設置している場合は、取り扱う物件が大阪府内だけであっても、原則として国土交通大臣免許が必要です。

なお、大阪府と京都府の両方に事務所を設置する場合、大阪府知事免許と京都府知事免許をそれぞれ取得することはできません。宅地建物取引業法では、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合、国土交通大臣免許を受けることとされています。

これは、取り扱う物件が大阪府内だけであっても同じです。免許区分は物件の所在地や営業する地域の広さではなく、事務所を設置する都道府県の数によって判断します。

  • 判断の基準は事務所の所在地
  • 営業対象となる物件の所在地だけでは判断しない
  • 個人事業主か法人かによって、基本的な免許区分は変わらない

3. 免許の有効期間と更新

免許を取得すれば、永久に営業を続けられるわけではありません。宅地建物取引業の免許には有効期間があり、引き続き営業する場合には更新が必要です。

免許の有効期間は5年間

宅地建物取引業の免許の有効期間は、国土交通大臣免許・都道府県知事免許のどちらも5年間です。

試験では、免許の有効期間を「3年間」や「10年間」とする誤りの選択肢に注意しましょう。

更新申請は有効期間満了日の90日前から30日前まで

免許の有効期間が満了した後も引き続き宅地建物取引業を営む場合は、免許の更新を受けなければなりません。

更新申請は、原則として有効期間満了日の90日前から30日前までの間に行います。申請できる期間を正確に覚えておくことが大切です。

また、更新申請を行っていれば、必ず更新が認められるというわけではありません。免許の基準を満たしているかなど、所定の審査があります。

  • 免許の有効期間:5年間
  • 更新申請期間:有効期間満了日の90日前から30日前まで
  • 継続して営業するには、原則として免許の更新が必要

更新申請の期間を過ぎてしまった場合は、どうなるのでしょうか。

更新申請は、原則として免許の有効期間満了日の90日前から30日前までに行う必要があります。この期間を過ぎた場合は、自己判断で放置せず、速やかに免許権者である行政庁に相談しましょう。

特に注意したいのは、免許の有効期間が満了すると、従前の免許は失効するという点です。更新を受けずに有効期間が満了した後、引き続き宅地建物取引業を営むことはできません。営業を再開するには、改めて免許を受ける必要があります。

試験対策では、「更新申請期間」と「免許の有効期間満了」を区別して覚えておきましょう。

4. 免許換えとは?

宅地建物取引業者が事務所を新設・移転・廃止するなどして、免許区分が変わる場合には、「免許換え」が必要になることがあります。免許区分の基本を理解したら、事務所の所在地が変わった場合の扱いも押さえておきましょう。

事務所の設置状況が変わると免許換えが必要になることがある

例えば、大阪府内だけに事務所を設置していた事業者が、新たに兵庫県にも事務所を設置する場合、事務所が複数の都道府県にまたがるため、免許区分は知事免許から大臣免許に変わります。

このように、事務所の設置状況の変更によって免許権者が変わる場合には、免許換えの手続きが問題になります。

免許換えの基本パターン

変更前 変更後 基本的な扱い
大阪府知事免許 大阪府と兵庫県に事務所を設置 大臣免許への免許換え
大臣免許 大阪府内だけに事務所を設置 大阪府知事免許への免許換え
大阪府知事免許 大阪府内だけで事務所を移転 通常、免許権者は変わらない

免許換えの問題では、単に事務所の住所が変わったのか、それとも事務所が設置される都道府県の数が変わったのかを区別しましょう。

なお、実際の手続きでは変更の内容や時期によって必要な対応が異なります。試験対策では、まず免許区分の基本ルールを確実に理解することが大切です。

5. 免許を受けられない場合もある

宅地建物取引業の免許は、申請すれば必ず取得できるものではありません。宅地建物取引業法第5条では、免許を受けられない場合に関する基準が定められています。

欠格要件の基本を押さえよう

欠格要件には、一定の刑罰を受けた場合、免許を不正に取得した場合、一定の理由で免許を取り消された場合など、さまざまなものがあります。

ただし、すべてのケースで同じ期間免許を受けられないわけではありません。該当する理由や法律上の条件によって扱いが異なるため、細かな要件は法令に沿って整理する必要があります。

欠格要件によって免許を受けられない期間が異なる

例えば、一定の理由によって免許取消処分を受けた場合や、宅建業法に関する一定の犯罪などで刑罰を受けた場合は、原則として5年間、免許を受けることができません。

一方、破産手続開始の決定を受けた場合は、復権を得ていないことが欠格要件となります。このように、欠格要件によって免許を受けられない期間や条件は異なります。

試験対策では、すべての欠格要件を一律に「5年間」と覚えるのではなく、理由ごとの違いを整理しておきましょう。

試験で意識したいこと

  • 免許の基準は宅地建物取引業法第5条を中心に確認する
  • 欠格要件に該当するかどうかは、具体的な事情と法律上の条件から判断する
  • 「必ず免許を受けられる」「どんな場合も5年間免許を受けられない」などの断定表現に注意する

欠格要件は、免許制度の中でも細かな条件が問われやすい分野です。まずは免許区分・有効期間・更新の基本を固めてから、個別の欠格要件を学習すると整理しやすくなります。

6. 宅建業法「免許制度」の練習問題

ここまで学んだ内容を、オリジナルの四肢択一問題で確認しましょう。まずは自分で正しい選択肢を考え、解答後に解説を開いて理解を深めてください。

問題1:免許の区分

宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれでしょうか。

  • ア 大阪府内に事務所を設置し、全国の物件を取り扱う場合は、必ず国土交通大臣免許が必要である。
  • イ 大阪府と兵庫県に事務所を設置して宅地建物取引業を営む場合は、国土交通大臣免許が必要である。
  • ウ 個人が宅地建物取引業を営む場合は、法人と異なり免許を受ける必要はない。
  • エ 2つ以上の都道府県に事務所を設置していても、取り扱う物件が1つの都道府県内に限られていれば、知事免許でよい。
正解と解説を見る

正解:イ

ア:誤り
免許区分は、原則として事務所を設置する都道府県の数で決まります。物件を取り扱う地域の広さだけでは決まりません。

イ:正しい
2つ以上の都道府県に事務所を設置して宅地建物取引業を営む場合は、国土交通大臣免許が必要です。

ウ:誤り
個人であっても、宅地建物取引業を営む場合は原則として免許が必要です。

エ:誤り
事務所が2つ以上の都道府県にまたがる場合は、取り扱う物件の所在地にかかわらず、原則として国土交通大臣免許が必要です。

問題2:免許の有効期間

宅地建物取引業の免許の有効期間について、正しいものはどれでしょうか。

  • ア 免許の有効期間は3年間である。
  • イ 免許の有効期間は5年間であり、継続して営業する場合は更新が必要である。
  • ウ 免許の有効期間は10年間であり、更新は必要ない。
  • エ 知事免許の有効期間は5年間だが、大臣免許の有効期間は3年間である。
正解と解説を見る

正解:イ

ア:誤り
宅地建物取引業の免許の有効期間は3年間ではありません。

イ:正しい
免許の有効期間は5年間です。満了後も引き続き営業する場合は、更新を受ける必要があります。

ウ:誤り
有効期間は10年間ではなく5年間であり、継続して営業するには更新が必要です。

エ:誤り
知事免許も大臣免許も、有効期間はどちらも5年間です。

問題3:免許の更新申請

免許の更新申請に関する次の記述のうち、正しいものはどれでしょうか。

  • ア 有効期間満了日の180日前から90日前までに申請しなければならない。
  • イ 有効期間満了日の90日前から30日前までの間に申請するのが原則である。
  • ウ 有効期間満了日の前日までであれば、いつでも同じ条件で申請できる。
  • エ 免許は5年ごとに自動更新されるため、申請は必要ない。
正解と解説を見る

正解:イ

ア:誤り
原則となる更新申請期間は、有効期間満了日の90日前から30日前までです。

イ:正しい
更新申請は、有効期間満了日の90日前から30日前までの間に行います。日数を正確に覚えておきましょう。

ウ:誤り
更新申請には原則となる期間が定められています。満了直前までいつでも同じ条件で申請できると覚えるのは適切ではありません。

エ:誤り
免許は自動更新されません。引き続き営業する場合は、更新の手続きが必要です。

問題4:免許換え

宅地建物取引業者の免許換えに関する次の記述のうち、正しいものはどれでしょうか。

  • ア 大阪府知事免許の業者が兵庫県にも事務所を設置した場合、原則として国土交通大臣免許への免許換えが必要となる。
  • イ 大阪府内だけに事務所を設置している業者が全国の物件を取り扱う場合、必ず大臣免許への免許換えが必要となる。
  • ウ 免許換えをすると、免許の有効期間は必ず10年間になる。
  • エ 免許換えは、個人事業主には適用されず、法人だけに適用される。
正解と解説を見る

正解:ア

ア:正しい
事務所を設置する都道府県が大阪府だけから大阪府と兵庫県に変わると、免許区分は知事免許から大臣免許に変わるため、原則として免許換えが必要になります。

イ:誤り
免許区分は、物件を取り扱う地域ではなく、事務所を設置する都道府県の数によって判断します。

ウ:誤り
免許の有効期間は原則として5年間です。免許換えによって10年間になるわけではありません。

エ:誤り
免許制度は、宅地建物取引業を営む個人にも法人にも適用されます。

7. まとめ:免許制度は「事務所の数・5年間・更新時期」を押さえよう

今回は、宅建業法の免許制度について解説しました。試験対策では、まず次のポイントを確実に覚えておきましょう。

  • 宅地建物取引業を営むには、原則として免許が必要
  • 1つの都道府県内だけに事務所を設置する場合は、都道府県知事免許
  • 2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は、国土交通大臣免許
  • 免許の有効期間は5年間
  • 更新申請は原則として有効期間満了日の90日前から30日前まで
  • 事務所の設置状況が変わり、免許区分が変わる場合は免許換えが問題になる
  • 免許を受けられない欠格要件については、法律上の条件を正確に確認する

特に、「物件を取り扱う地域」と「事務所を設置する地域」を混同しないことが重要です。問題文では事務所の所在地に注目し、免許権者を判断する習慣をつけましょう。

学んだ知識を、繰り返しの演習で定着させよう

宅建業法は、基本ルールを理解するだけでなく、問題演習を繰り返して、似た選択肢の違いを見分けられるようにすることが大切です。

「AI STUDY 宅建」では、過去問データを活用した演習に取り組めるほか、解答データをもとに自分の苦手分野を把握しながら学習を進められます。

今回学んだ免許制度をさらに練習したい方や、宅建業法の得点力を高めたい方は、日々の学習に活用してみてください。

AI STUDY 宅建はこちら

参考資料

本記事は、宅地建物取引業法および国土交通省が公開する資料を参考に作成しています。法令の正確な定義や免許制度の詳細については、以下の公的資料もあわせてご確認ください。

※本記事は宅建試験の学習を目的とした解説です。実際の免許申請や個別の取引に関する判断については、最新の法令および所管行政庁の公表資料をご確認ください。

KEEP READING / MORE MORE!

つぎ、
なに読む?

← コラム一覧へ戻る
知るって、
ヘンでいい。
← AI STUDY トップへ