魚そうの防熱設備の構造の基準は、次のとおりとする。 ただし、保冷温度(漁獲物を保蔵し、又は冷蔵するのに必要な魚そうの標準温度をいう。以下同じ。)が零下十度より低い魚そうを除き、総トン数五十トン未満の鋼製漁船(一回の操業日数が三十日以上の漁船を除く。)、総トン数五十トン以上の鋼製漁船で一回の操業日数が三日以内のもの、総トン数五十トン未満の木製漁船、総トン数五十トン以上の木製漁船で一回の操業日数が五日以内のもの、FRP製漁船及び海水温度が十五度以下の海面で操業する漁船の魚そうの防熱設備は、その漁船が従事する漁業の種類及び用途並びに一回の操業日数に応じ、十分な防熱効果を有し、かつ、船体その他の設備に害を与えないものであればよい。
一 魚そうの防熱設備の配置は、次に掲げるものであること。 イ 鋼製漁船の魚そう及び木製漁船の保冷温度が零下十度より低い魚そうにあつては、天井、船側、隔壁及び床に防熱設備が施されていること。 (魚そう内に鋼製の甲板下ガーダー、ピラー、ブラケツト、船側縦通材その他の部分が突出するときは、これらが断熱材又は木材でおおわれていること。) ロ 木製漁船の魚そう(保冷温度が零下十度より低い魚そうを除く。)にあつては、天井、船側及び機関室に接する端隔壁に防熱設備が施されていること。
二 防熱設備の構成は、次の表の上欄に掲げる位置の区分に応じ、それぞれ同表下欄のとおりであること。 ただし、その性能が著しくすぐれ、かつ、十分な強度を有する断熱材が配置されている箇所における空所、下板、防水紙及び内張板の全部又は一部、鋼船の船側、鋼製端隔壁及び木甲板が張られていないばく露甲板に接する空所並びにその他の甲板、外板、内底板及び隔壁板(以下「甲板等」という。)に接する空所及び当該空所が設けられない場合における当該甲板等に接する下板は、省略してもよい。 位置 構成 天井、船側、床、鋼製隔壁 甲板、外板、内底板、隔壁板 空所 下板 防水紙 断熱材 防水紙 内張板 木製隔壁 隔壁板 防水紙 断熱材 防水紙 内張板 備考 防水紙は、断熱材の両側の全面に配置されていること。
三 断熱材の厚さは、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、防熱設備を設備する箇所によりそれぞれ同表下欄に掲げる厚さ以上であること。 ただし、凍結そう又はかつお釣漁船の氷そうであつて保冷温度が等しい魚そうの間の木製仕切隔壁の断熱材、木船のフレームの内側又はビームの下側に配置される断熱材並びにその冷凍設備が第二十三条第一号及び第三号の標準を超える魚そうにおける断熱材の厚さは、同欄に掲げる厚さから適当に減じてもよい。 区分 断熱材の厚さ(ミリメートル) 漁船の種類 魚そうの保冷温度(度) 天井、船側、床、端隔壁 機関室に接する端隔壁 スチフナーのない側の鋼製仕切隔壁 スチフナーのある側の鋼製仕切隔壁、甲板口の防熱内ぶた 木製仕切隔壁 総トン数二百トン以上の鋼製のかつお釣漁船及び冷蔵運搬漁船、トロール漁船 総トン数百トン以上の鋼製のまぐろはえなわ漁船及びさば釣漁船 操業日数が三十日以上の鋼製漁船 零下 三〇 一七五 二〇〇 五〇 七五 一〇〇 零下 一七 一五〇 一七五 五〇 五〇 七五 零下 五 一〇〇 一二五 二五 五〇 五〇 三 七五 一〇〇 二五 五〇 五〇 総トン数五十トン以上で一回の操業日数が三日を超え三十日以内の鋼製漁船 零下 三〇 一五〇 一七五 五〇 五〇 七五 零下 一七 一〇〇 一五〇 二五 五〇 五〇 零下 五 七五 一〇〇 ― 五〇 二五 三 五〇 七五 ― 五〇 二五 総トン数百五十トン以上の木製のかつお釣漁船 総トン数百トン以上の木製のまぐろはえなわ漁船、さば釣漁船及び冷蔵運搬漁船 零下 一〇 一〇〇 一二五 二五 五〇 五〇 零下 三 七五 一〇〇 ― 五〇 ― 五 五〇 七五 ― 二五 ― 総トン数五十トン以上で一回の操業日数が五日を超える木製漁船 零下 三 五〇 七五 ― 二五 ― 五 五〇 五〇 ― 二五 ― その他の漁船 零下 一七 一〇〇 一五〇 二五 五〇 五〇 零下 一〇 一〇〇 一二五 二五 五〇 五〇 備考 一 断熱材の厚さは、炭化コルク板の厚さとし、炭化コルク板以外の断熱材の厚さは、熱伝導率及び熱容量についてこの表に掲げる厚さと同等以上の効力がある厚さとする。(以下この節において同様とする。) 二 魚そうの保冷温度がこの表と異るものについては、中間挿入法により算出するものとする。 三 保冷温度の異る魚そうの間の仕切隔壁の断熱材の厚さは、保冷温度の低い魚そうの仕切隔壁の断熱材の厚さによるものとする。
四 次に掲げる断熱材の厚さは、第三号の規定にかかわらず、同号の表の厚さに二十五ミリメートルを加えたものであること。 イ 鋼船の甲板等と下板の間の空所の厚さが十五ミリメートル未満であるか又は五十ミリメートルを超える場合における当該箇所の断熱材(当該箇所のフレーム、ビーム、スチフナー、縦通材及びフロアの内側の断熱材の厚さが五十ミリメートル以上であるものを除く。) ロ 厚さ六十五ミリメートル以上の木甲板が張られていないばく露甲板下の断熱材
五 保冷温度が零下十七度以下の鋼製漁船の魚そうにあつては、フレーム、ビーム、スチフナー、縦通材及びフロアの内側に五十ミリメートル以上の厚さの断熱材が配置されていること。
六 断熱材は、船の動揺、振動等により移動しないよう保持されていること。
七 根太は、内張板又は下板を強固に保持するように配置され、その太さは、これらを有効に固着できるものであり、床及び周壁部の内張板を保持する根太の心距は、七十五センチメートル以下であること。
八 根太は、フレーム、ビーム、スチフナーその他の船体構造部材(以下「フレーム等」という。)にくぎ又はボルトで強固に固着されてあり、鋼製のフレーム等に根太をボルトで固着する場合にあつては、これらに穴をあけずにボルトが取り付けられていること。
九 甲板等と下板との間に設けられる空所の厚さは、おおむね十五ミリメートル以上五十ミリメートル以下であること。
十 防熱設備の油そうに隣接する部分には、前号の規定にかかわらず、厚さ十五ミリメートル以上の空所が設けられていること。 ただし、油そうの鋼材の防熱設備に隣接する部分に厚さ十五ミリメートル以上の油密被覆が施されているものにあつては、この限りでない。
十一 内張板の厚さ(水密構造でない部分の内張板であつて、一枚の板の厚さが十六ミリメートル以上であるものを二枚以上重ねて用いる場合(縦縁をさねはぎとしたものを表面に用いて二枚以上重ね、その間に防水紙を挿入した構造のものを用いる場合を含む。)は、その合計)は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、その使用する箇所によりそれぞれ同表下欄に掲げる厚さ以上であること。 区分 内張板の厚さ(ミリメートル) 魚そうの種類 魚そうの深さ(メートル) 床 船側、隔壁 天井 水密構造の部分 その他の部分 活魚そう、水漬そう、予冷そう、冷海水製造そう 一・八未満 五〇 四〇 ― 三五 一・八以上二・七未満 五〇 四五 ― 四〇 二・七以上 五五 五〇 ― 四〇 凍結そう、凍結魚そう 一・八未満 四五 四〇 三〇 二五 一・八以上二・七未満 四五 四〇 三〇 三〇 二・七以上 五〇 四五 三五 三〇 その他の魚そう 一・八未満 四五 四〇 三〇 二五 一・八以上二・七未満 五〇 四五 三〇 三〇 二・七以上 五五 五〇 三五 三〇 備考 一 魚そうの深さとは、床の内張板の上面から天井の内張板の下面までの深さのうち最大のものをいう。 二 この表の内張板の厚さは、杉を用いる場合の厚さとし、それ以外の木材を用いる場合の内張板の厚さは、その強さがこの表に掲げる厚さの杉板と同等以上であり、かつ、その通水性が当該杉板と同等であるか又はこれより低い厚さとする。
十二 内張板は、くぎ又はボルトで根太又はフレーム等に強固に取り付けられ、かつ、密に張りつめられていること。
十三 活魚そう、水漬そう、予冷そう及び冷海水製造そうにあつては、その全面が、その他の魚そうにあつては、その床面並びに床面から魚そうの深さの六分の一に相当する高さ(その深さが一・八メートル未満の魚そうにあつては、床面から三十センチメートルの高さ)までの船側及び隔壁の部分が水密構造であり、かつ、鋼船の魚そうにあつては、次の表の上欄に掲げる魚そうの種類に応じ、同表の中欄に掲げる方法による気密試験を行ない、同表の下欄に掲げる基準に適合すること。 魚そうの種類 気密試験の方法 基準 活魚そう、水漬そう、予冷そう及び冷海水製造そう 防熱設備内に圧力が〇・〇〇三九メガパスカルの空気を封入して行なう。 圧力が〇・〇〇三九メガパスカルから〇・〇〇〇四九メガパスカルまで降下するに要する時間が四分以上であること。 その他の魚そう 防熱設備内に圧力が〇・〇〇二九メガパスカルの空気を注入して行なう。 空気の漏えいが著しくないこと。
十四 下板の厚さは、次の表の上欄に掲げる魚そうの深さに応じ、その使用する箇所によりそれぞれ同表下欄に掲げる厚さ以上であること。 魚そうの深さ(メートル) 下板の厚さ(ミリメートル) 床 その他の箇所 単底構造の場合 その他の場合 二・七未満 二五 一八 一六 二・七以上 三〇 二三 備考 この表の下板の厚さは、杉を用いる場合の厚さとし、それ以外の木材を用いる場合の下板の厚さは、その木材の強さがこの表に掲げる厚さの杉板と同等以上である厚さとする。
十五 下板は、できる限り密に張りつめられ、根太又はフレーム等に固着されていること。
十六 魚そうの甲板口縁材が鋼製のものにあつては、その内面又は外面が厚さ五十ミリメートル以上の木材でおおわれていること。 ただし、甲板口の防熱内ぶたの断熱材の厚さが第三号に定める厚さより二十五ミリメートル以上厚い場合にあつては、この限りでない。
十七 魚そうの甲板口には、防熱内ぶたが設けられ、甲板口縁材に接する箇所がゴム、皮その他適当な材料で気密とされていること。
十八 防熱隔壁に設ける出入口には、堅固な戸わくが取り付けられ、これに十分な強度を有し、かつ、戸の両側で操作できる開閉締具が取り付けられている有効な防熱戸が設けられ、戸わくに接する箇所がゴム、皮その他適当な材料で気密とされていること。 ただし、開閉締具は、作業員が閉じこめられないように適当な警報装置が設けられている場合にあつては、一方でのみ操作できるものでよい。
十九 魚そうの床又は隔壁に二重底の部分、深水そう又は深油そうの出入口として設けられたマンホールの周縁には縁材が設けられ、かつ、当該箇所の防熱設備が容易に取りはずしうるような構造であること。
二十 魚そうの排水装置は、左に掲げるものであること。 イ 魚そうの床面は、ビルジの排出を容易にするため、適当に傾斜しており、かつ、これに堅固な敷板又は格子が設けられていること。 ロ 魚そうには、ビルジウエルが設けられ、当該魚そう内のビルジがこれに流入するように設備されていること。 ただし、ビルジウエルが設けられている他の魚そうと保冷温度が等しい魚そうであつて当該魚そうのビルジがそのビルジウエルに流入するように設備されているもの、ビルジ排出口が設けられている甲板上の魚そう並びにビルジ吸引口が設けられている活魚そう、水漬そう、予冷そう、冷海水製造そう、床面積四・五平方メートル未満の魚そう及び木船の魚そうにあつては、この限りでない。 ハ ビルジウエルには、防熱ぶたが設けられていること。 ただし、防熱設備が施されているビルジウエルにあつては、この限りでない。 ニ 鋼船であつて、ビルジウエルが外板又は機関室隔壁に接するものにあつては、ビルジウエルと魚そう内の空気が相互に流通しないような装置が施されていること。 ただし、そのビルジウエルに有効な防熱設備が施されている場合にあつては、この限りでない。 ホ 魚そうの船底、船側、隔壁等の防熱設備内のビルジのたまる空所は、ビルジを排出できるように設備されていること。
二十一 ビルジ管、清水管、測深管、空気管その他の管は、魚そうの防熱設備の効果をできる限り減じないように配置され、かつ、有効に防熱されているとともに、腐しよくのおそれのあるものにあつては、亜鉛めつきまたはその他の防しよく処理が施されたものであること。
二十二 冷却コイルが配管されている場合にあつては、冷却コイルに漁獲物が直接触れないように適当な保護装置が設けられていること。
二十三 中たな又は冷却コイルが設けられている場合にあつては、これらを保持するための金具、根太その他が防熱設備の効果を減じないように取り付けられていること。
二十四 防熱設備に近接している鋼材の部分は、十分にさび落しされた後、さび止め塗料が塗布されているか又はその他の適当なさび止め処理が施され、木材の部分は、適当な防腐処理が施されていること。